中国人による「数字」について
【中国】社会科学院「米国は世界最強、中国第6位、日本第7位」
 中国社会科学院は5日、国際情勢を分析した年度報告を発表した。「世界の国力ランキング」では、中国は第6位で、第7位の日本を上回った。第1位は米国だった。5日付で中国新聞社が伝えた。

 国力ランキングは、経済力、外交力、軍事力、資源、政府の統制力などを基準に査定された。中国は豊富な労働力、安定した国内環境などが評価されて第6位だった。第1位は米国、第2位はイギリス、第3位はロシア、第4位はフランス、第5位はドイツ。日本は中国に次ぐ第7位とされた。

 なお、報告では、米国の第2期ブッシュ政権に対して、「より現実的で、より理性的になってきた」との評価を与えている。(編集担当:菅原大輔・如月隼人)

(サーチナ・中国情報局) - 1月6日10時35分更新

 産経朝刊紙面にもう少し詳しいことが載ってました。一部引用します。
 報告書は、2004年の実績に基づき、科学技術力、人的資源、情報力、天然資源や外交、軍事力など九項目について指数化し、それを総合して順位を付けた。米国はほとんどの項目でトップを占め、日本は天然資源の不足や外交、軍事の弱さが順位に響いた。
 中国については、豊富な労働力や外交力などで高得点の半面、技術力、環境、インフラなどで遅れが指摘された。

 日本は軍事が弱い?あれ?あんたらさんざん「日本は軍国主義化している」とか「日本は軍事大国化している」とか言ってたのに?
 そもそも「中国社会科学院」とは何ぞや?

wikipediaより「中国社会科学院」の項
中国社会科学院(ちゅうごくしゃかいかがくいん)は中華人民共和国の哲学及び社会科学研究の最高学術機構であり、総合的な研究センター。研究所31、研究センター45、研究者4200人を擁し、中国政府のシンクタンクとして大きな影響力をもつ。また世界80ヵ国のシンクタンク、高等研究機関200余りと日常的に交流する。国務院直属事業単位である。

 何だか権威のある機関のように見えますが、実態はかなりいい加減だと思います(まあ中共の支配下にある団体は何でもいい加減だと思うけど)。
 というのも、「諸君!」2月号の大特集『もし中国にああ言われたらこう言い返せ』の中の櫻井よしこさんの論文に、この「中国社会科学院」の研究所員が登場するんですが、これがおよそ学者とは思えないトンデモ発言をしているからです。

 戦後60年の間に中国政府が日中戦争の犠牲者の数字をどんどん水増ししてきたことについて、櫻井さんと中国社会科学院の研究所員とのやりとりの箇所から引用します。
 中国人による“数字”について、私は2005年夏、興味深い体験をした。「文藝春秋」の企画で杏林大学客員教授の田久保忠衛氏と共に北京を訪れ、中国を代表する学者2名と共に日中歴史問題について論じたときのことだ。中国側の学者両氏は、歴史問題では日本が悪いとの主張を、表現を変えて繰り返した。私は彼らに、320万人から570万人、2168万人、さらに3500万人へと被害者数が増加した根拠について問うた。さらに、たった一種類しかない中国の国定教科書で、日中戦争の犠牲者は1960年までは1000万人と教えられ、85年には2100万人と改訂され、95年には3500万人と、なんの説明もなく増えていったのはなぜかとも問うた。

 彼らは当初、右の問いには全く答えようとせず、話題を他の点に移そうとした。しかし、中国流の事実の歪曲を知るにはどうしても答えてもらわなければならない。三度目に問い質したとき、中国社会科学院研究所研究員の歩平氏が次のように答えたのだ。

 「戦争の犠牲者についてですが、歴史の事実というのは孤立して存在するのではなく、それは感情というものに直接関係してくるということを申し上げたいと思います」

 馬脚を露すとはまさにこうしたことだ。日中戦争の犠牲者の数の理不尽な増加が国民感情に直結していると言うのであれば、その数は日本への恨みと憎しみの感情表現に他ならず、歴史事実とはなんの関係もない。しかもその恨みと憎しみを愛国主義教育によって植えつけ、増幅させるのが中国の国策である限り、反日感情も、犠牲者数も、その主な部分は中国政府自らが創作したものだと言われても弁明できないだろう。
 右のくだりで歩平氏はこうも述べた。

 「たとえば南京大虐殺の30万人という数字について、当然、根拠はありますが、これはたんに一人ひとりの犠牲者を足していった結果の数字ではありません。被害者の気持ちを考慮する必要もあります」

 中国を代表する立場で、社会科学院の学者が、事実上、南京事件の犠牲者、30万人という数も、事実ではないと言っているのだ。中国国民の感情の反映であれば、この数字もいつの日か、日中戦争全体の犠牲者の数が根拠もなく増加したのと同じく、増えていく可能性はゼロではないだろう。

 「被害者の気持ち」や「国民感情」というよりは、「中国共産党の都合」というのが正しいんでしょうけどね。中国では歴史=政治ですから。
 でもさすがにそれは言えないから、「被害者の気持ち」を前面に出して日本人の贖罪意識を刺激する、と。
 これが筑紫哲也とか加藤千洋とか若宮啓文だったら納得して帰ってくるんでしょうが、櫻井さんや田久保さんには通用しませんって(^_^;


 中国人による“数字”と言えば。

中国 昨年炭鉱事故で5986人死亡 増産・監督官庁の腐敗背景
【北京=野口東秀】中国国内で、炭鉱事故の多発傾向が続いている。国家安全生産監督管理総局(李毅中局長)の発表によると、2005年の炭鉱事故件数は3341件、死者は5986人に達した。前年より件数で300件、死者数で41人減少したが、1件あたりの規模は大型化が目立っている。

(中略)

 中国当局はこれまでに5000カ所以上の小規模炭鉱を閉鎖。事故責任を問われた広東、陝西両省の副省長ら官庁関係者222人を処罰したが、「監督する側に法を守る意識が低い。地元権力と炭鉱経営者が一体となった腐敗行為も深刻」(李局長)という状況だ。

 李局長は事故の背景として、炭鉱経営者らに労働安全衛生への意識が低い▽生産能力を超えた増産▽地元当局など監督官庁の腐敗−などを指摘する。

 ひどいケースもめだつ。山西省寧武県で7月に36人が死亡した事故では、大規模事故の責任追及を逃れるため、炭鉱側と地元係官が共謀して死者数を「19人」と報告、残る17人の遺体を内モンゴル自治区に隠す工作を図った。

 また、「掘ればもうかる」と言われる炭鉱事業に対し、約5000人の国家公務員が計7億3724万元(1元=約15円)をこっそり投資していたことも明らかになった。一方では、不法生産をともなう中小炭鉱の操業に「黒社会」と呼ばれる暴力団組織が関与しているケースも多く、労災防止への道をさらに遠いものとしている。

 当局の発表が「事故件数3341件、死者5986人」ってことは、実数はこれの何倍もあるんでしょう。
 しかしモラルがまるでないですね。特に侵略した国に死体を埋めて隠蔽工作というの、ひどすぎ。昨今の日本の役人や経営者のモラル低下もひどいですが、中国には負けてますわ。


 ついでに「中国人とモラル」のもっと身近な話を引用しときます。
 1/4付産経紙面に載っていた対談です。参加者は藤岡信勝氏と、作家の石井竜生氏・井原まなみ氏ご夫妻。
石井竜生
「私どもは、1989年から97年にかけて、横浜のわが家に5カ国8人のアジア人留学生を下宿させました。その体験がアジアへの幻想を全部捨てさせました

藤岡信勝
「日本は悪で、近隣諸国は、もう羊のような善意の塊の人たちだという幻想ですね」

石井竜生
「最初にホームステイで引き取った中国人の女子留学生は、家事は手伝うという約束でした。ところが一切何もしない。それで、あるとき注意しました。それに対し、その女性が何と言ったかというと、『日本人、私たちの国で悪いことしたでしょう。だからあなたたちサービスするの当たり前』

井原まなみ
「日本に来るまでは、日中友好の懸け橋になりたいなど、手紙や電話で哀願を繰り返す。来たとたんにふんぞり返ってしまった。食事でも『中国人は冷たい物は食べません』と文句を言う」

石井竜生
「文化交流の大挫折です。戦後日本の留学生とは違い、金稼ぎだぞと反省したんです」

 こういう話聞くと、「国同士が仲悪くても国民同士は仲良くなれるはず。同じ人間なんだから」とかいうのは幻想だなーと思い知らされますね。

 もちろん中国人にも良い人はたくさんいるでしょう。逆に日本人にも悪人はいますしね。
 が、人命に対する考え方とか、法律や道徳に対する考え方とか、歴史に対する考え方とか、ベースの価値観がもう日本と中国では全然違ってますから。ちょっと深く付き合うと途端にほころびが出てくるんじゃないかという気がします。

※参考リンク
 ・外国人が驚く中国の真実
 「ネタ」もいくつか含まれてる模様。
 一番最後の『党の機関紙を真剣に読む人はいない。なぜなら、信用できる情報は、日付だけだからである』は、朝日新聞にも通じるものがあったりして(^_^;?


・・・・・・細切れぼやき・・・・・・


産経抄
(前略)

▼寒いといえば、五日付の「私たちこそ理解できぬ」と題した小泉首相の靖国神社参拝を批判した朝日新聞の社説は、読み返すほどに身震いがくるような内容だった。靖国参拝を批判するのは勝手だし、中国や韓国の立場を戦没者のご遺族よりも重視するかのような言論も自由だが、「全国の新聞のほとんどが参拝をやめるよう求めている」というのは誤植ではないかと何度も見直した。

 ▼確かに戦前戦後の一時期、かの新聞が業界のリーダー的な存在であり、部数でも日本一だったころがあった。だが今や朝日の言説に「ほとんどの新聞」や「言論人」が肯(うなず)く時代ではない。言論人イコール朝日人という論法は理解できない。第一、「私たち」とは誰なのか。

 ▼深い雪もいつかはとけ、豊かな実りをもたらす。必要なのは寒風に立ち向かう気構えと春を待つ忍耐心だ。戌年の今年、小欄は大いにほえるつもりだが、どこかの国の歓心を買おうとしているようには見られぬよう、心したい。

 うははは〜!めちゃくちゃウケた(≧∇≦)
 社説で噛みついてくるかなと思ったら、産経抄でしたね。まああんなくだらん社説に本気で相手したら、それもまた神経疑われるか。
 果たして朝日の反撃はあるのでしょうか?昨年の教科書問題の時は、朝日と産経で毎日応酬が続き、交換日記みたいな状態になってましたが。
旧ぼやきくっくり05年4月分の4/6付〜4/11付のあたりを参照)


韓国大統領 今年も… 「反日」出口見えず
 【ソウル=黒田勝弘】韓国の対日強硬外交は今年も緩和される見通しはない。日韓間で半年ごとに開催されることになっていた昨年末の首脳会談も、韓国側の“不機嫌”で流れてしまった。とくに、“反日外交”を主導してきた盧武鉉大統領が「日本および小泉純一郎首相に腹を立てている状態」(韓国政府筋)とあっては、取り付く島もない。「北朝鮮問題などで“劇的変化”でもない限り、小泉首相の任期中の首脳会談実現は難しい」(同)のが現状だ。 

 盧大統領は十一月の釜山でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際、小泉首相との会談では相変わらず(1)靖国神社問題(2)竹島(韓国名・独島)問題(3)歴史教科書問題−の“反日三点セット”を持ち出し、日本を非難した。この三点で韓国側の主張を受け入れない限り、日韓関係は進まないというのだ。

 しかし、盧大統領は(2)については「韓国側がすでに島を支配しているので現状維持でいい」とし、(3)についても問題視してきた中学歴史教科書の扶桑社版の採択率が低かったことからそれなりに満足している。その結果、残る「靖国問題」で何としても日本から譲歩を勝ち取ろうと執念を燃やしているという(韓国外交通商省筋)。

 盧大統領の靖国問題へのこだわりは「日本(あるいは小泉首相)に裏切られた」という不満からという。日本は韓国(金大中・前政権)に代替施設検討を約束しながらそれを無視し、この問題で何らの誠意も示しておらず「これは韓国軽視」というのだ。

 この不満ないし怒りの背景には、大統領の左派的な歴史観も影響している。韓国の歴代政権は、日本への遠慮から言いたいことも言えず、取るものも十分に取らず毅然(きぜん)とした姿勢がなかったとし、盧政権が力を入れている現代史に対する「過去清算」作業の一環として、日本との過去問題も改めて整理したいとの思いが強いという。

 結局、盧大統領は靖国問題を日本との「過去清算」にかかわる象徴的な問題ととらえ、日本の譲歩を勝ち取ることが「過去清算の証し」になると思い込んでいる。政権の対日外交の“業績”として靖国問題にこだわっているのだ。

 盧大統領は昨年来、歴史づいている。歴史関連の資料や書籍を熟読しているという。そして国内でもそうだが、日米中の首脳などとの会談でもしきりに歴史の話をする。その結果、東アジア情勢や日韓関係なども十九世紀的なイメージで語られる。日本の竹島領有権を「韓国に対する再侵略」といったり、日本の現状を「(軍国主義時代のような)過去に戻ろうとしている」と公言するのもそのせいだ。

 “歴史好き”になることで過去に目が向き、過去とは異なる戦後日本や現代日本の実情は軽視することになる。靖国参拝について、小泉首相が「慰霊と平和の祈り」と繰り返し説明し、ブッシュ米大統領が「もう許してはどうか」と未来志向を助言しても決して受け入れない。

 しかし、靖国問題をはじめとする過去へのこだわりによる「対日強硬外交」は、韓国でも突出した印象を与えている。とくに靖国問題は、韓国国民の多数にとっては、実際は必ずしも「核心的関心」ではないからだ。

 韓流ブームに加え、昨年の「日韓友情年」の多彩な交流の中で、その過剰な“反日ぶり”は浮き彫りにされている。外交専門家たちの間では“現実外交”への回帰を求める声が強いのだが。

 黒田さんGJ!今年もしょっぱなから飛ばしてますね〜(≧∇≦)
 でもやっぱ行間に韓国への愛情を感じます。表現も何だかコミカルだし、あまりきついイメージにならないように努力しておられるのかも?
 「馬鹿な子ほど可愛い」と言うけど、黒田さんにとって盧武鉉もそんな感じなのかもしれませんね。

 うちでは紹介しませんでしたが、黒田さんの大晦日の記事も傑作でした。mumurさんが取り上げて下さってますので、未読の方はぜひ。
 ・12/31付産経朝刊「経度・緯度」ベンチャー精神と民族主義


■今日は拉致問題のニュースがたくさん

拉致実行犯に女工作員 曽我ひとみさんが証言
めぐみさん元夫は韓国人か 蓮池さんにほのめかす
警察庁長官、拉致事件で警視庁などに共同捜査指示
シン元工作員関与で家族会が会見(電脳補完録さん)
<韓国拉致家族会>めぐみさんの夫の可能性でDNA検査要請

 北朝鮮が折れない以上、こうやって外堀から固めていくしかないですね。

 めぐみさんの夫の可能性がある韓国人男性5人のDNA検査ですが、5人のご家族や日本政府がいくら要請しても、韓国政府は応じないような気がします。
 何せ韓国政府は北朝鮮に対して太陽政策とってますから。日本の拉致問題だけでも手一杯なのに、自国(韓国)の拉致問題までクローズアップさせたら、北朝鮮をさらに追いつめることになりますからね。

 これまで何度も言ってきたけど、盧武鉉という男は本当に人権弁護士出身なんでしょうか?……あ、だけど日本でも、人権派と呼ばれてる弁護士ほど拉致問題には冷たいですしね。そういうことか。

 ちょっと妄想入るけど聞いてもらえますか?
 めぐみさんの拉致を知った時から、私は何度もこんなことを考えました。
 「もし私がタイムマシンを持ってたら、1977年11月15日の新潟市に行きたい。そしてめぐみさんの拉致を阻止したい」

 でもよく考えてみたら、それは別のめぐみさんを生むだけであって、根本的な解決にはならないんですよね。つまり、日本国民誰もが拉致される可能性があった(今もあるかもしれない)ということなんです。
 拉致問題を人ごとのように言ってる人は、そういう想像とか働かないのかな?と思う。


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Posted by くっくり 01:57 | 北東アジア | comments (15) | trackback (4)