「たかじん委員会」是か非か“女性・女系”の天皇
 本日(11/6)の「たかじんのそこまで言って委員会」で、女性天皇・女系天皇容認問題が討論されました。

 出演者は以下の通り。
◇司会 やしきたかじん、辛坊治郎(読売テレビ解説委員)
◇パネラー 三宅久之、田嶋陽子、 デーブ・スペクター、原口一博
宮崎哲弥、橋下 徹、桂ざこば、川村ひかる
◇ゲスト 所功(京都産業大学教授)

 最初の解説VTRはなかなかよかったと思います。

・「『街の声』は女性天皇に賛成が多いが、女系と女性の違いがわかってなくてイージー」という説明があった。
・有識者会議の座長はロボット工学専門というキャプションが出て、本当にこの会議は『有識者』で構成されてるのか?ということを示唆。
・男系維持を主張する『皇室典範を考える会』(八木秀次さん、小堀桂一郎さん、会長である渡部昇一さんの名前と顔も出た)、また政治家で構成された『日本全国会議国会議員懇親会』の「拙速ではないか」という意見も紹介された。
・三笠宮寛仁親王殿下の「歴史と伝統を平成の御世でいとも簡単に変えていいのか」という発言も紹介された。

 パネラーに対する質問:
 「有識者会議の女性・女系天皇容認論にあなたは賛成ですか?反対ですか?」

   賛成=ざこば、川村、田嶋、デーブ
   反対=三宅、原口、橋下、宮崎

 まずは、討論中に画面の隅に出たキャプションを紹介しておきます。
 (同じのが2回出てますが間違いではないです)

【天皇家】神武天皇のY遺伝子がずっと継承されている!?
【天皇家】男子が40年間生まれていないのが事実
【宮崎論】天皇制は「差別の体系」?
【女帝論】天皇制をどう維持する?
【愛子さまが】天皇に即位された場合の配偶者は…
【女帝容認?】天皇制存続のために側室制度を復活?
【宮崎論】天皇制は「差別の体系」?
【愛子さまのお相手?】戦後、臣籍降下した元皇族にはどんな人が?
【皇位継承?】「万世一系」に対する疑問
【女帝?】明治時代にもあった女性天皇容認論
【シミュレーション】愛子さま33歳 30年後の皇室
【女性天皇】長子優先?男子優先?
【女性天皇?】男系男子に天皇継承すべき?
【デーブの疑問】「天皇ってそもそも神話から生まれたのでは?」
【お世継ぎ問題】当の皇室の方々はどう思ってらっしゃる?
【言い過ぎた?】所先生からのダメ出し!?
【女帝論】たかじんは天皇制をこう見た!?

 討論内容を一部紹介します。
 (一字一句この通りではないので、引用の際は自己責任でお願いします)

 まずはありがちの「女性が天皇になれないのは差別だ」論をデーブが出してきました。「男性上位でおかしい」と。
 それに対して宮崎さんが「何がいけない?」。デーブは唖然。
 宮崎さん曰く、「天皇制は『差別の体系』ですよ。当たり前じゃないですか。『差別の体系』の中での問題でしょ?」
 デーブに「何で認めるの?」と反撃されるも、宮崎さんは堂々と「じゃあ天皇制自体を否定することになるじゃないですか」。GJ!(≧▽≦)
 デーブ「おかしいよそれ!」、宮崎「何でおかしいんだよ」とやり合ってる横から、三宅さんがデーブに「他の話はともかくとして、これは日本人の話ですから」。会場爆笑。

 宮崎さんの話が続きます。
 「天皇は私たち国民とは違う。人権はそもそも国民のもので、天皇陛下のものじゃない。天皇は国家の機関である。少なくとも憲法上では」
 それを受けて橋下さんも、「しかも法の下の平等の例外だとなっている。国民と天皇は全然違う」。
 さらに宮崎さん、「国民が男女平等というのは当然だが、お堀の向こうまで適用されるとなるとどうか」。

 とにかくデーブは『女性天皇』と『女系天皇』の区別がついてなくて(わざと?)、「女性天皇は前例がある」と。
 原口さんや宮崎さんが『女性天皇』と『女系天皇』との違いを説明してました。

 ここで所功教授が登場。この番組にもこれまで何度か出てる人です。
 所先生の解説&持論はこんなふうでした。

 「まず大前提は天皇制を肯定するか否定するかです。大多数の国民は肯定。では天皇制を維持するためにどうするかと。男系は伝統だから維持すべきという意見もあります。伝統というのは2種類あると私は思います。一つは従来の遺物としての伝統。もう一つは今も生きていて今後とも生きていく伝統。前者は死んでしまった物で固定的に考えていいが、後者は条件が変わったら当然変わっていきます。では昔と何が変わったか。男系男子を維持するのは、これまでは正妻に男子がなければ側室の庶子でもいいと認めてやってきて、それで125代続いたのですが、側室制度は昭和天皇が皇太子時代に『それは困ります』と否定されました。それを受けて、戦後の皇室典範では側室制度を否定し、庶子の継承を否定したから、大前提がもう変わっているわけです。大前提が変わっているのに、昔の遺物のような伝統を守れというのは無理な話です。皇室は格別のものですが、同時に皇族は生身の方々であるから、どう維持するか。変わった条件を前提として、どうしたら本質的な伝統が守れるか。それは世襲制度。世襲制度は従来、男系男子が世襲の事実だったが、それが困難となれば、男系女子に広げて、可能性を広げることを今しないと、皇室は消えてしまいます」

 辛坊さんが所先生に、「女系反対論の核は、女性天皇は異論はないが、愛子さまが例えば橋下さんやデーブさんの息子さんと結婚して、その子どもが天皇になったら、これまで男性の染色体が伝えられてきたものが途絶えて、神様としての天皇がなくなってしまうのではと……」というふうなことを言ったところ、所先生の返答はこう。
 「それは極論で、愛子さまのお相手は、旧皇族や旧華族の方が優先的に対象にされる可能性が多いと思います。皇室に入るにふさわしい、条件に合った人が……」
 たかじんが「でもそういう人は数人では?」と突っ込んだところ、所先生は「そんなことはございません」。

 ここで田嶋がトンデモな発言を。
 「でも先生、もしかしたら韓国まで飛ぶかもしれませんね」
 ……パネラーも会場も( ゚д゚) ポカーン

 所先生も少し戸惑った感じで、「そこのところは、ヨーロッパであれ、外国に例があるように、国境を超えて人を求めてもいいという国民的コンセンサス、慣習ができてくればそういうこともありうるが、まあ21世紀の間にはないと私は思います」と。
 さらに、「これだけ優れた日本人がたくさんいるわけですから、わざわざ外国にまで求めなくても、然るべき男性はきっといると思います」
 会場もいささか失笑気味。

 が、田嶋はめげずに「○○○の世界だからわからないよ〜!冬ソナ!」と。
 (○○○の箇所、聞き取れませんでした)
 このオバサンはホントに一体何考えてるんだか……┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
 韓国ドラマにはまってるとかいう話をだいぶ前に聞いたことあるけど、それが影響してるような気がしました。

 ここで橋下さんが「所先生は今、側室制度がなくなって大前提が変わったから、男系も変えていいという話をされたが、じゃあもし側室制度が復活したら……」てな振りをしたところ、案の定、田嶋がキーキー噛みついてました。

 その後、所先生が「昨日の夜、頑張って作ってきました」という系図を出して、伏見宮家、皇籍離脱した11宮家の話。

 デーブが「でも200年中断したという話をよく聞きますが」と。
 彼が言ってるのはどうやら継体天皇の王朝交替説のことらしいってことで、所先生と辛坊さんがフォロー。所先生はもちろん「中断」は否定してました。
 最後は辛坊さんが「デーブさん、これって何年前のことか知ってます?1500年前の話ですよ」と一蹴。
 (詳細知りたい方は検索エンジンに「継体天皇」と入れて調べて下さい)

 あと、田嶋が「明治時代に女性天皇容認論があったのでは」と。
 所先生の説明はこうでした。
 「明治天皇のお子様が次々に亡くなり、男子がなかなか生まれず、女性・女系容認論が出てきましたが、幸い大正天皇が病弱ながらもお育ちになったので事なきを得た。それに当時は宮家がたくさんあったから何とかなるだろうと。それで明治22年に皇室典範で男系男子と決めてしまった。現状をにらんで当時はそう決めました」

 ここで、30年後の皇室シミュレーション。
 次の126代は今の皇太子殿下が、127代はもし男子の兄弟がなければ愛子さまが継承されるとして、128代がどうなるか。愛子さまに女子、男子の順で生まれた場合、どちらが継ぐのかという話。
 所先生は、「男系女系にとらわれないで、天皇は男性がいいか女性がいいかという話を」と、もう女系で行くという前提で話を進めちゃってました(T^T)

 天皇は男性がいいか?女性がいいか?という問いに、所先生は「どちらでもいいですが、天皇のお仕事というのはとてもハード。女性は出産・育児などがあるので、男性の方がいいかと思う」と。
 実は所先生のお宅も一人娘で、その娘さんの子どもも二人とも娘さんで、だから「身につまされて感じる」のだそう。

 その後、恒例(?)の三宅さんと田嶋の言い合いなどがあって。
 デーブも「日本のルーツは空から来たって、みんな信じてるの?」と感情論っぽくなってきました。
 橋下さんが「デーブさんの国もキリスト降臨とか信じてるじゃないですか」と反論してましたが。
 三宅さんもキレて「昨日今日できた国が、何千年も伝統のある国のことをとやかく言うな」と突っ込んでました(^_^;

 その後、デーブが「皇室の方々はどう思ってるのか?」と質問。
 所先生の回答というか意見はこう。
 「皇室の方々がご意向を表明できる回路ができていない。皇室会議のあり方にも問題があります。構成員の10名のうち、皇族は二人だけ。皇室について決められる時は、せめて半数以上は皇族の方が参加されて、天皇なり皇太子なりのご意見を表明いただいて、同時に国民の代表者の意見も聞いて、決めていくべきだと思います」
 これにはパネラー全員が賛同してました。

 田嶋はその後も「皇族も生身の方々なんだから、人権がある。もっと民主的な世の中に……」と、またグダグダ言ってました。
 あと、三宅さんは「有識者会議はどこの馬の骨かわからない人たちがやってる」と。

 これについては所先生がダメ出し。
 まずは「田嶋さんは皇室に批判的だが、敬語で喋られているので感心しましたが」と前置きした上で、「ただ三宅先生のご発言には一言言っておきたいんですが、有識者会議は素人集団ではありません。歴史の専門家も皇室の専門家もいます。会議の議事録がインターネットで公開されていますが、我々の気づかなかった資料も整理して公表しています。それを見ると、125代に渡って、いかに困難な綱渡りであったかがわかるし、その上でどう維持させていくかと……」。
 三宅先生は「わかりました。先ほどの発言は撤回します」と一瞬素直になるんですが、その直後にまた「議論をやるのはいいが、あまりこねくり回して、国民が……」とか何とか反論したので、たかじんはコケてました(^_^;

 これまで意見が言えなかったざこば(言おうとしてたが他の人が激しすぎて割り込めなかった(^_^;)は、「戦後、開かれた皇室とか言われたが、今の皇室は開きすぎ。もっとベールに包まれてる方がいい」てな意見を。
 川村ひかるも何か言おうとしてたけど、たかじんに「まだあんたも言うんか〜」とか嫌そうに言われて、何も言えなかった。
 田嶋はさらに「国民一人あたり皇室に214円出してるんだから」とお金の話を出して、パネラーからブーイング浴びる始末でした。

 最後にたかじんがちょっと良い話を。
 「この前、天皇賞に天皇陛下が約100年ぶりにお見えになられまして。10数万人ぐらい客がおって。で、1着になった松永幹夫騎手が、馬上から帽子を取って陛下に向かって一礼したら、10数万人の客がシーンとなった。ああ、やっぱり日本人は、こういうバクチ場でも畏敬の念を、老いも若きも持っているんだなと。彼が天皇陛下に向かって礼をした時に、何とも言えん、胸が熱くなったのは、私だけでしょうか?

 これ聞いて、パネラーの多くが肯定的な反応を示してました。
 が、田嶋は不機嫌そうな顔でまたブツブツ言ってましたわ。デーブも「僕も胸が熱くなりました!」とか茶化してたし。
 
 とまあ、雑ですがだいたいこんな雰囲気でした。
 予想通り、田嶋とデーブが何とか女系を認めさせようと必死になってたな〜という印象。

 所先生は決して左翼にありがちな皇室廃止論者ではない、それはわかりました。
 「できたら男系で行きたいけれど、現在は昔のような側室制度もなく、宮家も少なくなったから、男系に固執すると天皇家そのものの存亡の危機につながる。だから女系もOKと明文化して、可能性を広げていかねばならない」という姿勢である、と。

 理解できる部分もあるにはあるのですが、ただ、「側室制度」を伝統(男系維持)の大前提にしていて、それがなくなったから伝統を変える(女系移行)のもやむなし……てな意見にはやはり承服しかねます。
 そもそも昭和天皇が側室制度を否定された時代はまだ宮家がたくさんあったわけで。また、戦後GHQによって多くの宮家が皇籍離脱させられるなんて想像もつかなかった時代でもあります。
 となると、憲法改正問題と同様、GHQに押し付けられた「前提」をそのまま受け入れててよいのか?という気もしてきますね。

 所先生の主張は有識者会議の議事録にも載っています。こちらをどうぞ。

 できたらまた番組でこの問題を取り上げてほしいですわ。
 その時のゲストはどうか男系維持派の渡部昇一さんや八木秀次さんでお願いします。

※拙ブログ関連エントリー
 10/27付『女系天皇は容認できない』
 11/5付『メディアは「女性天皇」と「女系天皇」の違いを説明せよ』

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Posted by くっくり 01:14 | TV番組内容紹介 | comments (19) | trackback (4)